皇帝談話 #2
6月28日は祈りの日だ。
佐世保大空襲の日だ。
あの日、佐世保の空に銀の機影が浮かんだ。
そして佐世保の街を焼き尽くした。
多くの人々が命を落とした。
さて、我々はどうしても、感情で攻撃を非難してしまうが、果たしてそうなのだろうか。
あの日、あの年、陣地で墜ちぬB-29を懸命に射撃した兵士、空から爆弾槽を開くボタンを押した兵士、敵軍の艦艇に雷撃をかけた兵士、勝利を信じ散った兵士………
いくつもの数えきれない悲しみを生んだ戦い。いくつもの尊い命を奪った戦い。しかし奪わなくては彼らは生き残れなかった。前線の兵士は国のため、家族のため、戦いに赴いた。残虐行為はあった。しかし、家族のため、国のため、戦った兵士に責任を負わせることが果たしてできようか。
つまり、我々は過去の反省の上に立ち、惨禍を繰り返してはならない決意をもう一度固めよう。
いまあの時代を戦い抜いた兵士に、あの時代を生き、散った人々に、国を問わず、勢力を問わず、祈りの言葉を捧げたい。
今日は祈りの日だ。
すべての惨禍をもう二度と世界に再現することのないように。
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