パラソル王国併合

概要

武暦241年4月20日、当時のパラソル王国皇帝のゲルハウト・ベッケンバウアーは以下の発表を行った。

隣国たる大ぶらうん帝国に、我が国は合併される。(後略)

同時に彼の国の皇帝はフーレタールとなる予定だったが、ぶらうん3世となった。(詳細は後述)

経過

武暦241年4月20日、当時のパラソル王国皇帝のベッケンバウアー氏は、

隣国たる大ぶらうん帝国に、我が国は合併される。これは大ぶらうん帝国の副総統、フーレタール氏の以降であり、彼が3代目皇帝となった時の我が国の混乱を防ぐためである。

と発表した。

4月21日、この発表を受けて内務大臣兼空軍大臣のベニショウガ・ディートリッヒ氏は側近10名ほどを引き連れベッケンバウアーの執務室へ抗議、今すぐ合併を取りやめるよう進言した。

ディートリッヒとベッケンバウアーは高校の先輩後輩の関係であった。

ベッケンバウアーは後輩、帝国ナンバー2であったディートリッヒの事実上の「脅迫」に動じることなく国内感情を淡々と説明した。

フーレタールはパラソル王国に対し厳しい批判や経済措置などを実施、しまいには部下にテロの指示をする(計画はディートリッヒや友人のシーラッハ氏によって阻止された)など、あまりにも過激な運動を繰り返したため、国内での感情はいいものではなかった。(パラソル・ペーパー第29650号、特集より引用)

しかし両者の間には決定的な考えの差があった。

ベッケンバウアーは「これ以上のテロを防ぐため、ある程度フーレタールの意向に従う」

ディートリッヒは「大ぶらうん帝国の進入に、武力を持って抵抗する」

この差は埋まることがなかった。

この時ディートリッヒが放った

なぜ、朕のために死ねとおっしゃらないのですか。

は今でも有名である。

ついにはディートリッヒが内戦という選択肢をちらつかせ、そこでいったん退室した。

このときベッケンバウアーは側近に「胃が痛い」を連呼していたという。

しかし、4月28日、ディートリッヒが内戦に備えるとき、大ぶらうん帝国の3代皇帝候補だった現皇帝ぶらうんがフーレタール派閥に「宣戦布告」したという報が入った。

ぶらうんとも交友関係があり、同い年だったディートリッヒは状況を説明、義勇軍としての参戦を申し出た。

ぶらうんはこれを快諾、パラソル王国第十八防空師団は義勇軍として参戦した。

結果、内戦はぶらうんの勝利。これによってぶらうん3世として大ぶらうん帝国の三代皇帝として即位。

パラソル王国民、ベッケンバウアー、ディートリッヒ、シーラッハはこれを歓迎、各地で万歳が叫ばれた。

フーレタールとは違い、パラソル王国民はぶらうん3世に絶大な支持をしていた。唯一フーレタールに対抗し、ぶらうん3世もまたパラソルを愛した。

こうしてパラソル王国内戦の危機は消滅した。



その後

242年6月、パラソル王国は大ぶらうん帝国に併合、パラソル州として初代州知事にはパラソル王国元外務大臣が務めた。

ベッケンバウアーはこの件で体調を悪化させた。いまでは回復し時たまディートリッヒやシーラッハと外食する姿が目撃されているが、政界からは身を引いて隠居生活をしている。しかしパラソル州名誉知事、パラソル州名誉議長として、時たま公に姿を現し州知事のアドバイザーをしているとのうわさも。

ディートリッヒは大ぶらうん帝国の大臣として各地で活躍、同時に第十八防空師団師団長を務めていたがシーラッハへとその座を譲った。

現在は軍需大臣、宣伝大臣を務めている。パラソル州名誉知事。

シーラッハはエースパイロットとして第十八防空師団第一独立飛行中隊長を務め、一般航空祭の時はディートリッヒとの一糸乱れぬ編隊飛行で観客を魅了した。

その後はディートリッヒより第十八防空師団師団長を任命され、250年6月に起工した原子力空母「ツユノサキ」の艦長を務めている。



大ぶらうん帝国公式

ーこれはネットの海を漂う小さな国の奇譚ー

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