【特集】外国人お断りの島? ークロゼッタ島渡航記ー

[大ぶらうん帝国航空大臣、大ぶらうん帝国親衛隊検閲済]

ポータル諸島。

本島に最も近い島々であり、大ぶらうん帝国第3艦隊がおかれている要衝でもある。

そんなポータル諸島の中心的な島がゲンカーン島である。

実は、その対岸に外国人お断りの島があるという。一体なぜなのか。
今回はそんな島ークロゼッタ島へ赴くことにした。


島に入るまで

島に入るには、自らの渡航目的、国籍の確認、詳細な行動予定、所持品検査を受けなくてはならない。
ひとつでも不備があると即島行きの飛行機の切符を取り消されてしまう。さらに、島に渡航するには大ぶらうん帝国民でないといけない。

カメラのメモリが多いことにめくじらを立てられたがなんとか通してもらえた。
そして島行きの飛行機に乗り込む。


島へ着いたら…

島行きの飛行機の案内が出て、向かうとたいそうクラシカルな飛行機が迎えてくれた。
ダグラスDC-3。第二次大戦期の名作輸送機にして民間旅客機としても大成功をおさめた機体である。ここからおおよそ40分のフライトが待っている。


島へ到着すると、この島が外国人お断りの理由が明らかになった。
島の飛行場には軍用機がズラリ。
乗ってきた機体よりずっと巨大な爆撃機や輸送機。小型の戦車も置かれていた。エースパイロットであるシーラッハ氏の姿も見える。
そう、この島はほぼ全体が軍事の島となっていたのだ。そこかしこに軍用機が留め置かれていた。軍用機マニアなら間違いなく大歓喜の空港であったが残念ながら撮影禁止。
まああたりまえっちゃあたりまえ。
島の中心部へは専用シャトルバスが出ている。ふつうなら、こういう類のバスは島の観光協会やバス会社が運営していそうなものだがここでは軍がバスを走らせている。
機密保持のためと思われるが、大ぶらうん帝国は民間用バスを保有しているのである。
…ちなみに、このバスは陸軍保有ではなく実は空軍保有らしい。


島の中心集落へ

軍のバスに揺られ10分、島で最も大きい集落、ターツに到着した。道中の演習場感漂う荒地と打って変わってこの集落はそんな軍事の島であることを感じさせない長閑な空気が流れていた。
ターツでは写真撮影が全面的に許可されていて、私は複数枚写真を撮影してきた。
地元の人に話を聞くと、元々ここから車で10分くらいの海岸に漁村があり、そこが最も大きな集落であったが、その集落は軍の司令部がおかれて以降閉鎖されていて地元民でも入ることができないという。



島の小高い丘から街を一望できた。
ターツは谷に作られた町。
この島の言葉でターツは谷を意味するという。かなり上から町を見下ろせるスポットである。写真では少し感じにくいがかなり高さがあり、少しヒヤッとした。


再び町に降りてきた。
私たちを乗せたバスはこの近くが終点で、この道をまっすぐ行くと島唯一の学校にたどりつく。旅行者はこの島に3日しか滞在できず、また午後6時以降の外出は禁止されている。夜間は軍事演習が行われているほか、島民が攻撃を受けないようにするためともされている。今のようにスマホがない時代、島への攻撃を事前に知る唯一の手段は軍民共同で運用されていた島内ラジオ放送だった。といっても電波の傍受を避けるため、ケーブルテレビのような有線放送だった。
そんなこともあり、夜間の外出は禁止されていたのだ。

いつのまにか日が暮れはじめ、だんだん門限の時間に近づく。
特に外の人間はギリギリまで出歩いていると疑われやすいと聞いたのでゆとりを持ってホテルにチェックインした。



島滞在2日目。
以前、私は限定開放されている海岸への立ち入りと撮影の申請を行った。

その結果、軍関係者の付き添いと、この記事公開前に軍に記事を提出することを条件に撮影が許可された。

そして私は軍の装甲車に乗り、現地へ赴いた。
島で唯一民間人が入れる海岸である。
穏やかな内容で、対岸にはもう一つの島が見える。かつてこの海で帝国海軍とにゃんこ王国軍が戦ったという。
またバタケール紛争にもここから軍艦が出発したという。軍事の島であることを身をもって体験した。
遠くの海に軍艦が見えた。思わず写真を撮った。しかし本土では少しだけなら許される撮影がこの島では禁止。写真の削除を求められた。うっかりしていた、と話し、写真を削除した。何の船だったかはわからない。


島滞在3日目。
再び空港へ足を運んだ。
出発ロビーでいつもより長い検査を受け、またこの島に来たときの飛行機に乗る。

島を離れるまえ、ロビーに現れた軍人に飴玉をもらった。塩あめだった。
機内食はこんな短距離路線にはないので、この飴玉を機内で食べた。
袋が島唯一のお土産になった。

島にはお土産屋はなく、島のものも持ち出しに厳格な制限がかかっている。どうしてそこまでしなくてはならないのかと言いたいが、たしかに島のものを使って島内にスパイなどが侵入する危険もあるのだろう。この袋がお土産になったが写真をあげることはできないし私も捨てたとしてゴミ箱を漁られてはまずいと思い本土到着後に軍に返却した。
どうやらポータル諸島で普通に流通しているものらしい。

島限定パッケージがあるという。
全く画像などは上がっていないが。


とにかく、3日間の取材で、この島の厳格さが垣間見えた。今後、また機会があれば訪問したいと思っている。


帝国日報社
※この取材は軍の承認と協力のもと行っています。島民以外の島への個人渡航はいかなる理由であっても禁止されています。島への渡航は軍が承認した旅行会社のプランをご利用ください。また、規制区域への立ち入りや写真撮影は法律で罰せられます。万が一個人渡航が発見された場合、厳罰が下されます。


大ぶらうん帝国公式

ーこれはネットの海を漂う小さな国の奇譚ー

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